皆さんこんにちは、やぐま(yahgooma_re4gl)です。
アメリカで当選金500億円オーバーの宝くじが2日続けて当たるという報道がなされました。
当選確率は驚愕の3億分の1!
天文学的な数字ですが、ニュースを受けて購入者が増加しているようです。
つまり、「3億分の1が当たりそう」「当たるかもしれない」と思っている人が多いことの証左とも言えますが、その判断は合理的でしょうか?
期待値で考える
今回の宝くじは、当選者が出ないと次回に賞金が繰り越されるといういわゆるキャリーオーバー型の宝くじとなっています。
1等が当たる期待値は「500億円×3億分の1≒167円」、一口2ドル(約225円)ですから、すでにこの時点でマイナスですね。
さらに、日本と違って当選金には税金(約30%)がかかりますので、さらに期待値は下がってしまいます。
感じる確率で考える
3億分の1は当たりやすいと感じますか?
「何をバカな!当たりっこないじゃないか」と思っている人がほとんどでしょう。
しかし、あなたの感じる3億分の1は、実は確率通りと感じていないことが、これまでの研究でわかっています。
行動経済学の中で有名なプロスペクト理論では、人間は極端に小さい確率については、過大評価してしまうことがわかっています。
また、今回のようにあまり起こらない1件の当選が報道されることによって、その1件が強く印象付けられるため、「当たるかも」と勘違いしてしまうのです。
実際には当選の何億倍ものハズレが発生しているのですが、それが無視されてしまうということです。
まとめ
宝くじを買う時に「期待値を計算する」人はほとんどいません。
また、「人間は極小の確率を過大評価しやすい」と理解している人も少ないです。
このため、合理的ではない判断をしてしまっているのです。
昨年のノーベル経済学賞受賞で再び機運が高まっている行動経済学を学ぶと、勘違いしやすい人間の感覚を理解する一助になります。
是非、皆さんもカンタンな1冊から勉強してみてはどうでしょうか?
アリエリー教授の「行動経済学」入門 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)