イチロー選手が現役引退、引退会見で刺さった言葉3つ

2019年3月21日、シアトル・マリナーズ所属のイチロー選手が日米通算28年の現役生活に終止符を打ちました。

アスレチックスとのメジャーリーグ開幕戦の第2試合後に引退会見が開かれました。

試合が延長戦に突入したこともあって、会見開始も午前0時ごろと遅い時間になってしまいましたが、イチロー選手本人もおどろくほどの報道陣が会場に集まりました。

様々な質問がとびかう中、一つ一つに丁寧に、熟考しながら、答えてくれました。

イチロー選手と言えば、そのプレースタイルや実績も去ることながら、「イチロー節」と言われる独特の言い回しと、考えさせられる名言をたくさん残しており、今回の引退会見でも心に刺さるフレーズがいくつもありましたので紹介します。

引退会見の一問一答(全文)についてはFULL-COUNTさんの記事を参照させていただきました。

https://full-count.jp/2019/03/22/post325131/

僕、我慢できない人なんですよ

―最も我慢したものはなんだった?

「難しい質問だなあ……。僕、我慢できない人なんですよ。我慢が苦手で楽なこと、楽なことを重ねているっていう感じなんですね。自分ができること、やりたいことを重ねているので、(以下省略)」

イチロー選手に対するイメージは「ストイックに野球と向き合い、苦しくてもひたむきに努力を続ける人」という方が多いんじゃないでしょうか?

ところが、本人は自分自身を「我慢できない人」と表現しています。

イチロー選手も同じ人間であり、やりたくないことは、やりたくない。

ただし、何もしてないわけではなく、自分のできること、やりたいことを重ねていくことで、結果を出し続けることができるんだというメッセージを感じました。

質問の中で、こんなやりとりがありました。
イチロー選手は「感情がないんじゃないか?」と言われることがあるそうですが、実際には「(感情が)あるんですよ、意外とあるんですよ」と今回の会見で表現しており、『苦しい』『つらい』といった負の感情と向き合っているという普通の人間なんだなと思えるシーンでした。

自分に向くか向かないかというより、自分が好きなものを見つけてほしい

―子供たちに是非メッセージを。


「シンプルだなぁ。メッセージかぁ。苦手なのだな、僕が。まぁ、野球だけでなくてもいいんですよね、始めるものは。自分が熱中できるもの、夢中になれるものを見つけられれば、それに向かってエネルギーを注げるので。そういうものを早く見つけてほしいなと思います。(中略)色んなことにトライして、自分に向くか向かないかというより自分が好きなものを見つけてほしいなと思います」

子どもたちに向けたメッセージですが、全ての人に共通するアドバイスじゃないかと思います。

人生において、辛くて、苦しくて、やりたくないことはたくさんあるし、とても越えられそうもない壁が立ちはだかることは一度や二度ではない。そんな時に支えになるものの一つが「自分が好きか、熱中できるか」ということだと教えてくれています。

言葉にして表現することは、目標に近づく一つの方法

いや最低50までって本当に思ってたし。でもそれは叶わずで。有言不実行の男になってしまったわけですけど、でも、その表現をしてこなかったら、ここまでできなかったかなという思いもあります。だから、言葉にすること。難しいかもしれないけど、言葉にして表現することというのは、目標に近づく一つの方法ではないかなと思っています

イチロー選手は以前から「最低50歳まで現役」を公言していました。

昨年、イチロー選手の地元愛知県で行われているイチロー杯で少年選手から、「対戦したいので日本でプレーしてくれませんか」と言われた際にも「日本でやることはないと思います」と語ったあとに「君は12歳!?(プロになるのは)最短で18歳だから、6年後。(イチロー選手は45歳でしたから、6年後は)51歳!お、いい番号だね」と自身の背番号である「51」と引っかけて微笑んでいました。

言葉が力になるというのは、多くの有名な経営者が言っていることです。

イチロー選手は、「有言不実行の男になってしまった」と言っていますが、それを後悔している様子は微塵も感じさせませんでした。

難しいかもしれないけど、言葉にすることが目標に近づく方法なのだと、あらためて認識できました。もちろん、即実行して積み重ねていきましょう!

まとめ【イチロー選手も同じ人間】

今回の会見でとても強く印象に残ったのは、「イチロー選手も私達と同じ人間で、苦しい、辛いと感じることもあるし、やりたくないことは我慢して続けられない」のだということ。「クビになるかもしれないと悩んだ」ことや、「野球が純粋に楽しかったのは1994年のオリックス時代まで」と暴露するなど人知れず、苦悩を抱えていたことがわかりました。

一方で、「重ねる」「積み重ねる」「後退することがあったとしても地道に進むしかない」と、小さなことを継続していくことの重要性をイチロー選手らしい言葉で表現してくれました。

イチロー選手が引退を発表した3月21日、東京ではサクラの開花宣言がありました。

これから新しい生活がはじまる人も大勢いるでしょう。

是非、イチロー選手の言葉を胸に新しい道を、自分の好きな、熱中できることに邁進してほしいと思います。

最後に、イチロー選手本当にこれまでお疲れ様でした。そして、ありがとうございました!

【おまけ】菊池雄星選手、大谷翔平選手について

ベンチに下がる際に、この日メジャー初先発した菊池雄星選手が号泣していたことについて、「いや、号泣中の号泣でしょ!」といじり「それみて、こっちはちょっと笑けましたよ」と発言。

しかし、イチロー選手が引退する日に、菊池雄星選手がメジャーデビューとなったことには「なんかいいなぁ。。。と思っていて」と言い、「もう、ちゃんとやれよ!」とエールを送っていた。

大谷翔平選手について、イチロー選手は、二刀流を1シーズンの中で投手も打者もやるのではなく、投手に1シーズン専念して20勝でサイ・ヤング賞、次のシーズンは打者に専念することホームラン50本打ってMVPというやり方もあるというイチロー監督の「起用方法」を披露。

その上で「世界一の選手にならなきゃいけない」と期待を寄せていた。