みなさん、こんにちはやぐまです。
問題1〜15までを解説しました。
今回は、総合問題までの問題16〜21を解説します。
問題16
連結財務諸表作成に関する問題です。
解答のポイント
選択肢のオ.だけが間違いです。
原則、連結対象団体(会計)の決算日が3月31日ではない場合、3月31日時点で仮決算を行い連結することになりますが、決算日の差異が3カ月を超えない場合には、連結対象団体(会計)の決算を基礎として連結決算を行うことができるとされています。
解答のプロセス
上記のポイントから、選択肢オ.が間違いとわかります。
答えは、5.オとなります。
問題17
連結損益計算書における当期純利益を計算する問題です。
解答のポイント
P社とS社との間の取引は全て「相殺消去」の対象となります。
例えば、1の取引については、P社の売上高が10,000万円減少(=当期純利益が10,000万円減少)しますが、S社の仕入高も10,000万円減少(=当期純利益が10,000万円増加)するため、連結した純利益には影響がありません。
同様に②、③も連結純利益には影響がありません。
解答のプロセス
上記ポイントから、単純にP社とS社の個別財務諸表における当期純利益を足した額が答えになります。
答えは5.1,500万円となります。
問題18
連結対象団体に関する問題です。
解答のポイント
連結対象団体をまとめると以下のようになります。
- 特別会計(公営企業会計(水道、電気など)を含む)
- 一部事務組合・広域連合
- 地方独立行政法人
- 地方三公社(土地開発公社、地方道路公社、地方住宅供給公社)
- 第三セクター等
あわせて「全部連結」と「比例連結」についても覚えましょう。
対象となる地方独立行政法人、地方三公社、第三セクター等について「業務運営に実質的に主導的な立場を確保している」場合には『全部連結』。主導的な立場を確保している自治体が特定できない場合には『比例連結』になります。
なお、一部事務組合・広域連合については、複数の地方自治体が関与しているため、経費負担割合等に応じて『比例連結』することになります。
解答のプロセス
選択肢ウ.エ.については、やや細かい内容になっていますが、それ以外は理解しておきたい内容ですから、答えは導き出せます。
答えは2.アイエとなります。
問題19
問題18につづいて、連結対象団体に関する問題です。
解答のポイント
『連結の対象としない』団体については、総務省の「連結財務書類作成の手引き」(段落31、32)に記載されています。しっかりと確認しましょう。
- 財産区
- 地方共同法人(地方競馬全国協会、地方公務員災害補償基金、日本下水道事業団、地方公共団体金融機構、地方公共団体情報システム機構)
よって、上記以外の団体は、全部連結もしくは比例連結すると考えられます。
解答のプロセス
上記のポイントから、答えは2.アとイになります。
また、第三セクター等については、『社会福祉法人も第三セクター等に含める』など細かい論点がありますので、今後、受験する人は上記の手引きを一読しておきましょう。
問題20
連結財務書類についての問題です。
解答のポイント
連結財務諸書類のうち、当分の間作成しないことができる書類や書類のうち省略してもいい部分、二つをあわせて作成してもいい書類などはしっかりと押さえておきましょう。
解答のプロセス
- ア. 連結貸借対照表の「純資産の部」の構成について問われています。
これはそのままですから、しっかりと覚えましょう。答えは○です。 - イ. 「固定資産等形成分」は連結貸借対照表のどこと等しいか?
「固定資産等形成分」は、固定資産と短期貸付金、基金の合計額になります。よって答えは✕です。 - ウ. 「他団体出資等分」の理解ができているか?
こちらは、問題文そのままですから、覚えておきましょう。答えは○です。 - エ. 連結行政コスト計算書と連結純資産変動計算書を結合できるかどうか?
これは知っていてほしい内容、答えは○です。 - オ.連結資金収支計算書と全体資金収支計算書について。
これは、少し細かいですが、全体資金収支計算書は作成することになっています。よって答えは✕です。
以上から答えは3.アウエとなります。
問題21
連結相殺仕訳についての問題です。
解答のポイント
まず、相殺前の仕訳を書き出してから、連結相殺仕訳を考えましょう。
と言っても、相殺前仕訳の借方と貸方を入れ替えるだけですから、難しくありません。
解答のプロセス
相殺前仕訳は、①Y市(一般会計)側、②下水道特別会計側の二つの視点で書き出します。
①Y市(一般会計)側
(借)他会計への繰出金 100 (貸)他会計への繰出支出 100
②下水道特別会計側
(借)税収等収入 100 (貸)税収等 100
連結相殺仕訳はこれらの(借)と(貸)を入れ替えるだけです。
以上から答えは2.イとなります。