みなさん、こんにちはやぐまです。
問題1〜21までを解説しました。
今回は、総合問題の問題22〜25を解説します。
問題22
現金預金の金額を求める問題です。
解答のポイント
貸借対照表の「現金預金」は資金収支計算書の「本年度末資金残高」に「本年度末歳計外現金残高」を加えたもの。
これを絶対に覚えましょう!
解答のプロセス
資金収支計算書を作ります。手順は以下のようになります。
① 資金収入を計算
② 資金支出を計算
③ 前年度末資金残高を計算
④ ①〜③から本年度末資金残高を計算
最後に、本年度末歳計外現金残高を加えて「現金預金」残高となります。
①は、資料1.を合計するだけです(=2,757百万円)。②も、同様に資料2.を合計するだけです(=2,684百万円)。
③は、資料4.の前年度末貸借対照表の現金預金(=203百万円)から、前年度末歳計外現金残高(=資料4.の前年度末貸借対照表の預り金もしくは資料3.(5)歳計外現金の当期首残高30百万円)を引いた金額(=173百万円)
④本年度末資金残高は、③+①−②なので、173+2,757−2,684=246百万円
最後に、本年度末歳計外現金残高(=32百万円)と合計して、278百万円となります。
よって、答えは5.278百万円となります。
問題23
貸借対照表の純資産の金額を計算する問題です。
解答のポイント
貸借対照表の「純資産」は、行政コスト計算書の「純行政コスト」、そこから計算される純資産変動計算書の「本年度末残高」と等しくなります。
ただし、簿記で考えると『資産と負債の差額』が純資産になりますので、貸借対照表を完成させることで求めることができます。
解答のプロセス
前年度末の貸借対照表をベースに考えます。
例えば、固定資産−土地であれば、「土地」に関係する取引を資料1〜3から探します。
[資料]1.の「資産売却収入210百万円(保有する土地(帳簿価格226百万円)を売却した際の収入である」とありますから、「土地」が226百万円減っています。
[資料]2.の「公共施設等整備費支出320百万円(土地の取得に係るものである)」とありますから、「土地」が320百万円増えています。
これらをまとめると、固定資産ー土地の前年度末残高2,095百万円−226百万円+320百万円で2,189百万円となります。
上記のように貸借対照表の資産、負債の各科目ごとに取引を探すことで漏れを防ぎながら、効率よく計算することができます。
最終的には、資産−負債から純資産額を計算します。
答えは3.1,187百万円となります。
問題24
行政コスト計算書における移転費用の金額を求める問題です。
解答のポイント
移転費用について、再度まとめると以下のようになります。
- 補助金等
- 社会保障給付
- 他会計への繰出金
- その他(損害賠償金など)
その他に含まれる損害賠償金がポイントなります。
解答のプロセス
上記ポイントから考えると簡単です。
[資料]2.の取引から、
- 補助金等支出 38百万円
- 社会保障給付支出 341百万円
- 繰出金支出 85百万円
- 損害賠償金支出 64百万円
これらを合計すると、答えは5.528百万円になります。
問題25
純資産変動計算書における純行政コストの金額を計算する問題です。
解答のポイント
問題23の解答のポイントでも述べたように、貸借対照表の「純資産」と純資産変動計算書の「本年度末残高」が等しいことから、「純行政コスト」を求めることができます。
一方で、[資料]1〜3の各取引を純行政コスト計算書の科目に分けて、算出することも可能です。
余裕があれば、二つの方法で計算し検算するのがベストです。
解答のプロセス
純資産変動計算書から計算する場合には、以下の計算式で考えます。
純資産前年度末残高−純行政コスト+財源+固定資産等の変動=純資産本年度末残高
これを「純行政コスト」を求める式に組み替えると、
純行政コスト=純資産前年度末残高−純資産本年度末残高+財源+固定資産等の変動
となります。
具体的に金額を入れていくと、
- 純資産前年度末残高 1,353百万円 [資料]4(前年度末貸借対照表から)
- 純資産本年度末残高 1,187百万円 問題23の解答から
- 財源(税収等) 1,553百万円 [資料]1(税収等収入のうち、当期に調定した金額)
- 財源(国県等補助金) 300百万円 [資料]1(国県等補助金収入)
- 固定資産等の変動 ▲16百万円 [資料]3(4)から
これらを計算すると、答えは1.2,003百万円になります。