問21は「連結相殺消去仕訳」についての問題です。
ほぼ毎回出題される問題ですので、きちんと理解して得点源にしましょう!
解答のポイントを覚えておけば、簡単に正解することができます。
解答のポイント
まず、相殺消去前の仕訳を書き出します。
その後に相殺消去仕訳をするのですが、難しいことはなく(借)と(貸)を入れ替えるだけです。
相殺消去前の仕訳
相殺消去前の仕訳を書き出します。
【資料】X県では、連結対象団体であるY社(第三セクター等に該当)が発行した地方債150万円を引き受け、同額を一般会計から支出した。
資料に基づいて、「X県」側と「Y社」側、両方の視点で仕訳を考えます。
「X県」側
借)長期貸付金 150 / 貸) 貸付金支出 150
「Y社」側
借)地方債発行収入 150 / 貸) 地方債 150
連結相殺消去仕訳を行う
相殺消去前仕訳の(借)と(貸)を反対にするだけで「相殺消去仕訳」は完成です。
借)貸付金支出 150 / 貸)長期貸付金 150
地方債 150 / 地方債発行収入 150
以上から答えは4.エとなります。
補足:なぜ「連結相殺消去仕訳」するのか?
連結する際に「連結相殺消去仕訳」をするのには、理由があります。
通常の企業会計でも、親会社と子会社の間で行われた取引については、一定のルールに基づいて、調整が行われます。
例えば、親会社の売上が100億あったとしても、そのうち子会社に対する売上が90億だったら、売上を水増ししていると言われてもおかしくないレベルです。
地方公会計においては、連結の範囲となる団体(会計)をひとつの行政サービスの実施主体とみなして連結財務諸表を作成することから、上記のような水増しとみなされかねない取引は消去することになります。
実態からかけ離れた財務諸表にならないようにするためということですね。