みなさん、こんにちはやぐまです。
問題1〜10までを解説しました。
問題11〜15は理論問題が続きます。
問題11
さまざまな仕訳についての問題です。
解答のポイント
各選択肢のポイントを解説します
- ア. 不納欠損と徴収不能引当金の関係を理解しているか?を問われています。
徴収不能引当金を超える不納欠損がある時には、借方に徴収不能引当金繰入額を計上するのではなく、その他業務費用で処理しますので、答えは×です。 - イ. 連結対象団体への出資金の評価方法です。
ポイントは、連結対象か否か、市場価格の有無、実質価格の下落率の3つ
今回は連結対象、市場価格なし、下落率30%超ですから、下落分を投資損失引当金繰入額として費用計上することになります。答えは○です。 - ウ. 有価証券の評価方法です。
こちらは、満期保有目的か否か、市場価格の有無、市場価格の下落率がポイントになります。満期保有目的ではなく、市場価格はあるため、評価は市場価格となりますが、下落率が著しい価格の下落とされる30%超ではないため、純資産計算書の「資産評価差額」に計上することになります。よって、答えは✕です。 - エ. 地方債の決算処理についての記述
これは知っていてほしい内容、答えは○です。
解答のプロセス
有価証券や出資金の評価については、ポイントを押さえているとそれほど難しくないのです。選択肢エ.は確実に理解しておきたいです。
答えは、4.イエ となります。
問題12
固定資産の減価償却についての問題です。
解答のポイント
- ア. イ.ウ.は全て答えは○です。
ただし、かなり細かい論点なので、自身をもって回答できる人は少ないです。
その中で、ウ.は正解できるようにしておきたい問題です。 - エ. 既存の償却資産に対して行った資本的支出について
「従前から保有する資産の残耐用年数」ではなく、「新規に取得したものとしての法定耐用年数」を使用します。これは知っていてほしい内容、答えは✕です。 - オ. 途中で用途変更があった場合について
用途変更後は法定耐用年数をそのまま使用せず、使用状況などを勘案して経済的使用可能年数を見積もるか、法定耐用年数から用途変更後の耐用年数を計算して使用することになります。よって、答えは×です。
解答のプロセス
この問題は、かなり細かい論点になります。正解率49.2%とかなり低い結果でした。
ウ.とエ.は何となく判断がつきそうですが、それだと二択になるので、結果からみても二択の運任せになっていたように思います。
答えは、1.アイウ となります。
問題13
中古の固定資産を購入した場合の耐用年数計算の問題です。
解答のポイント
中古で購入した場合の法定耐用年数の計算(簡便法)は、以下のようになります。
- 中古で購入した時点で法定耐用年数の全部を経過している場合には、法定耐用年数×20%で計算。
- 法定耐用年数の一部を経過している場合には、(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%で計算します。
解答のプロセス
今回は、法定耐用年数15年、経過年数が5年なので、上記の2.に該当します。
(15年−5年)+5年×20%=11年となります。
答えは、4.11年 となります
問題14
減価償却の計算問題で使用途中で残存年数が短くなった場合です。
解答のポイント
減価償却の問題は以下のような表を作成するとわかりやすいです。
H26 | H27 | H28 | H29 | |
取得価格 | 3,200 | 3,200 | 3,200 | 3,200 |
償却率 | 0.125 | 0.125 | 0.250 | |
減価償却費 | 400 | 400 | ? | |
減価償却累計額 | 0 | 400 | 800 | ?? |
帳簿価格 | 3,200 | 2,800 | 2,400 | ??? |
ここでのポイントは、耐用年数を変更した際の計算です。
通常、減価償却費は(取得価格−残存価格)×償却率になります。
例えば、H27年度であれば、(3,200千円−0(ゼロ))×0.125=400千円となります。
一方で、残存年数が短くなった場合には、取得価格の部分を「直近の帳簿価格」にして計算することなります。また、償却率については、「期末からの残存年数」を使用します。
「耐用年数の見直しを行った結果、耐用年数が6年と見積もられた」という一文から、『既に2年(H27年、H28年)償却しているから、6年−2年で「期末からの残存年数」は4年だな』と考えられるようになりましょう
解答のプロセス
上記のポイントに照らし合わせると
H29年度の減価償却費の計算は、(直近の帳簿価格(=H28年度末)−残存価格)×(耐用年数4年の償却率)となるので、(2,400千円−0)×0.250=600千円。
以下は、芋づる式に減価償却累計額=800千円+600千円=1,400千円。
帳簿価格は、3,200千円−1,400千円=1,800千円となります。
答えは、4.1,800,000円となります。
いずれの場合でも、最初の表が作れればOKですから、意識して作るようにしましょう。
問題15
重要な後発事象についての問題です。
覚えているかどうかですが、似たような「重要な会計方針」「偶発債務」がありますので、まとめて覚えるのがいいです。
解答のポイント
重要な会計方針は7つ、重要な後発事象は5つ、偶発債務は3つと覚えられなくはないですが、なるべく楽をしたい方は、以下のようなイメージだけ頭に入れておきましょう。
- 重要な会計方針・・・財務書類作成のために必要な基準、計算・評価方法
- 重要な後発事象・・・法改正や組織変更、災害など、地方公共団体の運営に関わる事象
- 偶発債務・・・実際に起こったことではなく、起こる可能性のあるもの
(偶発債務は実質2つなので、ここだけはきっちり覚えておくといいかもしれません)
解答のプロセス
上記のポイントに当てはめると、ウ.が「偶発債務」だとわかります。
よって、答えは5.オとなります。